〒746-0061 山口県周南市皿山町7-45
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【御詠歌】
東雲に 瑠璃の灯 輝きて
みちびき救う 七色の虹
【神仏習合の祈り】
新南陽市は、行政区を二分して、徳山市の西に位置する主流部と、北部の山間に飛地して和田地区がある。
皿山地区は、国道二号線に沿って拓けた町である。その一角にある法瀧院は、往来する人々の安全を願って、門柱に「観音神通力・観音妙智力」と刻む。仏心の旺盛な道場である。
創建は比較的新しい。戦後の動乱期に無常を感じた高塚覚道師が、吉野山に修行の場を求めて入峯、霊験を得て一宇を建立したのが創まりであるという。
本堂には、猿田彦大神を中尊に、虚空蔵菩薩と神変大菩薩(役行者)を合祀する。これは修験道の道場であり、仏舎利を冠く本地仏は薬師如来で、脇侍に阿弥陀如来と十一面観音菩薩をまつる。
これは、神仏習合の祈りをいまに蘇らせたのであるが、忘れてならないのは、修験道に欠かせない薬師すなわち薬草学が、この延長線上にあるということである。
わが国の宗教史は、近年まで神仏習合の思想が専らであった。明治維新に国家神道を推輓する論者により、神仏分離が行われた。これが世にいう廃仏毀釈である。
猿田彦大神は、天孫降臨に際して、天照大神を道案内してきた地祇神である。本居宣長は「古事記伝」に、「自ら大神と名乗るは、本より尋常の神ではあるまい、尊き神ならん」と述べている。道案内・道路交通の神・地鎮祭・建築などに神徳を顕す。俗に道祖神の信仰がある。
虚空蔵とは、智慧無量の宝庫で、智慧や財宝を容れる蔵を意味する。測り知れない智慧と福徳を兼ね備えて、常に人をして与え、願いを満たす菩薩をいう。
神変大菩薩は、修験道の祖・役行者小角の謚名である。修験道とは、山岳抖薮して、密教的呪法を修得し、霊験を得ることを目的とする。
言い換えれば、猿田彦尊は道祖神、虚空蔵菩薩は宇宙、つまり森羅万象において効験を発揮する祈祷道場と解す。
【道順】
電車・バスの場合=JR山陽本線・福川駅下車、山側へ徒歩五〇〇メートル。JR山陽新幹線・徳山駅からタクシーで一〇分。
車の場合=山陽自動車道・徳山西ICを下りて国道二号線を徳山・新南陽方面へ約二キロ、福川小学校(福川駅方面)の信号を左折五〇メートル。山門より三〇メートル先を左に入った境内地に駐車。普通車六台可。